【管理栄養士が解説】フェリチンが低いと妊娠しにくい?妊活中に知っておきたい鉄の話

妊活

この記事でわかること

  • 妊活中の体づくりにおいて「フェリチン(貯蔵鉄)」が注目されている理由
  • 健康診断で「貧血なし」と言われても油断できない「隠れ鉄不足」とは?
  • フェリチンが低くても妊娠できる?知っておきたい大切なこと
  • フェリチンの検査は病院の何科に行けばいい?
  • 仕事帰りにコンビニやスーパーでサッと買える!おすすめの鉄分補給メニュー

「妊活を始めたら、フェリチンが低いと指摘されて不安…」
「ヘモグロビンは正常なのに、フェリチンが低いってどういうこと?」
「いわゆる“隠れ貧血”って、妊活中の体調に影響する?」

妊活中の方や、これから赤ちゃんを迎えたいと考えている方の間で、最近よく話題にのぼる「フェリチン」。
聞き慣れない言葉だからこそ、数値が低いと言われるとドキッとしてしまいますよね。

結論から言うと、フェリチンが低いからといって、絶対に妊娠しにくいというわけではありません。
過度に心配しすぎる必要はありませんので、まずはリラックスしてくださいね。

ただ、鉄分は妊活中の健やかな体づくりを支えるために、とても大切な栄養素のひとつ。
貯蔵鉄であるフェリチンが不足している状態は、妊活中の毎日の体調管理に影響する可能性があります。

この記事では、ヘモグロビンとフェリチンの違いや、妊活中に鉄が大切な理由、毎日の生活の中で無理なく鉄貯金を増やすコツを、管理栄養士がやさしく解説します。

管理栄養士コメント 
管理栄養士として妊活中の方から「ヘモグロビンは正常なのにフェリチンが低いと言われた」というご相談を受けることがよくあります。フェリチンの数値だけで必要以上に不安になる必要はありませんが、「毎日の食事内容や生活習慣を優しく見直す良いきっかけ」として前向きに活用していきましょう!

そもそもフェリチンとは?「ヘモグロビンが正常=鉄が足りている」ではない理由

健康診断の血液検査でよく見る「ヘモグロビン」と、今回のテーマである「フェリチン」。
どちらも体の中の鉄分に関係するものですが、役割が全然違います。
分かりやすく「お金」に例えてみますね。

  • ヘモグロビン(=お財布の中の現金):今まさに、体の中でリアルタイムに使われている鉄分です。
  • フェリチン(=銀行の定期預金):体の中にいざというときのために蓄えられている「貯蔵鉄(鉄の貯金)」です。

私たちの体は、食べ物から摂る鉄分が足りなくなると、まずは「銀行の定期預金(フェリチン)」を切り崩して、「お財布の現金(ヘモグロビン)」を一定に保とうとします。

そのため、「ヘモグロビンは基準値内でお財布には現金があるけれど、実は銀行の定期預金(フェリチン)はほぼ残高ゼロ」という状態が起こるのです。
これを栄養学では「潜在性鉄欠乏(いわゆる“隠れ鉄不足”)」と呼び、毎月の月経で血を失う女性にとても多く見られます。

妊活中に鉄分が大切なのはなぜ?

お財布の現金(ヘモグロビン)が足りていれば問題なさそうに見えますが、なぜ妊活において「貯金(フェリチン)」を意識することが大切なのでしょう加。

鉄は、私たちの体の中で「細胞分裂」や「酸素を運ぶこと」に深く関わっている栄養素です。
妊活中から妊娠期にかけての体づくりにおいて、健康維持を支える重要な土台のひとつと考えられています。

鉄の貯金(フェリチン)がスカスカになってしまうと、体全体への酸素の巡りがスムーズにいかなくなることも。
それが、妊活中の大敵である「冷え」や、なんとなく体が重いといった「慢性的なスッキリしない疲れ」を招く原因に繋がってしまうことがあります。
だからこそ、日頃から鉄不足にならないように整えておくことが大切なのです。

フェリチンが低くても妊娠した人はいる?

結論からお伝えすると、フェリチンが低い状態であっても、問題なく妊娠された方はたくさんいらっしゃいます。

妊娠には、年齢、排卵の周期、パートナーの精子の状態、冷えやストレスなど、本当にたくさんの要素が複雑に関わっています。
「フェリチンが低い=不妊の原因」と直結するわけでは決してありません。

「数値が低いからもうダメだ…」と落ち込んでストレスを抱えてしまう方が、妊活にとってはもったいないです。
フェリチンは食事やサプリメントでコツコツと補うことができる数値ですので、「これからもっと体調を良くしていくための伸びしろ」として、前向きに捉えていきましょう。

妊活中のフェリチン値の目安はどのくらい?

一般的な血液検査では、女性のフェリチン基準値は「10〜12ng/mL以上」とされていることが多いです。
ただ、これは健康な生活を送るための最低限のラインであることがほとんどです。

妊活中の女性向けの目安として、「30ng/mL以上(できれば50ng/mL以上)」といった数値を基準として案内するクリニックもあります。
ヘモグロビンが正常であっても、フェリチンが20ng/mL未満の場合は、鉄の貯金がやや少なくなっているサインと言えます。

ただし、フェリチンの目標値については、現在すべての医療機関で統一された明確な基準があるわけではありません。
専門の医療機関や先生によっても考え方が異なるため、ご自身の検査結果については、決して自己判断せず、主治医の先生とよく相談しながら判断していきましょう。

フェリチンの検査は何科でできる?

自分の鉄貯金がどれくらいあるか気になったら、病院で検査を受けることができます。
通常の血液検査の項目にはフェリチンが含まれていないことも多いため、受診の際は「フェリチン値も測りたいです」と伝えるのが確実です。

  • 婦人科・不妊治療クリニック:妊活の一環として調べる場合、最もスムーズに対応してもらいやすいです。
  • 一般内科:「立ちくらみがする」「疲れやすい」といった貧血症状の相談として受診すれば、内科でも検査が可能です。

検査費用は保険適用になる場合や自由診療になる場合など、受診する理由や病院によって異なりますので、事前に問い合わせておくと安心ですね。

あなたは当てはまる?フェリチンが低くなりやすい人の特徴

日頃の生活の中で、以下のようなポイントに心当たりはありませんか?
当てはまるものがある方は、知らず知らずのうちに鉄貯金が減っているかもしれません。

  • 生理の時の出血量が多い:血の塊が混じることがある、2日目はナプキンが頻繁に必要になるという方は、毎月多くの鉄分を失っている可能性があります。
  • お肉や魚をあまり食べない:野菜中心のヘルシーな食事を心がけている方に多く、体へ吸収されやすいお肉などの鉄分が不足しがちです。
  • 過去に無理なダイエットをしたことがある:長期間の食事制限をした経験があると、体の中の鉄貯金がずっと少ないままキープされていることがあります。
  • 朝起きるのがツラい、しっかり寝ても疲れが取れない:体の中の鉄分不足が、日々の体調のサインとして表れている可能性があります。

今日からできる鉄貯金!効率よく補う食事のコツ

体内の鉄の貯金を効率よく増やすためには、毎日の食事の「選び方」と「組み合わせ」が大切です。

動物性の「ヘム鉄」を上手に取り入れよう

食品に含まれる鉄分には、お肉や魚に多い「ヘム鉄」と、野菜や大豆に多い「非ヘム鉄」があります。
ヘム鉄の方が体への吸収率が高く、胃腸にも優しいという特徴があります。
効率よく鉄分を補給したいときは、動物性の食材を食事にプラスしてみましょう。

おすすめの食材鉄の種類おすすめの食べ方
レバー、牛肉(赤身)ヘム鉄効率よく補える優秀な食材。ブロッコリーなどビタミンCのある野菜と炒めるのが◎。
かつお、まぐろ(赤身)、あさりヘム鉄妊活中もしっかり摂りたい、体をつくる「たんぱく質」も一緒に補給できます。
ほうれん草、小松菜、豆腐非ヘム鉄お肉や魚、ビタミンC(レモンやトマトなど)と合わせることで、吸収が良くなります。

忙しい日も安心!仕事帰りにコンビニで買えるおすすめ鉄分メニュー

「仕事が忙しくて、毎日レバーを料理するのは大変…」という時は、コンビニのチルドコーナーやお惣菜を賢く頼りましょう!
仕事帰りにサッと買ってすぐ食べられる優秀メニューをご紹介します。

  • かつおのたたき:お惣菜コーナーにあるかつおのたたきは、パックを開けるだけで手軽にヘム鉄が摂れるお役立ちメニュー。ビタミンCが含まれるポン酢やネギ、お好みでレモンを絞るとさらにバッチリです。
  • ローストビーフのサラダ:コンビニの定番サラダですね。赤身肉のヘム鉄と、生野菜のビタミンCが同時に摂れるので、とてもおすすめの組み合わせです。
  • あさりのカップ味噌汁:ランチのプラス一品や、夕食のお供に。お湯を注ぐだけで手軽にあさりの鉄分を取り入れられます。

妊活〜妊娠中向けのおすすめ鉄サプリメント3選

食事だけでは補いきれない分や、妊活中にしっかり摂りたい「葉酸」などの栄養素をバランスよく補うために、市販のサプリメントを上手に活用するのも選択肢のひとつです。
ここでは、手に取りやすいおすすめの3製品をご紹介します。

1. ファンケル 鉄&葉酸

1日2粒で鉄10mgと、妊活期に欠かせない葉酸400μgを一緒に補給できるサプリメントです。鉄の吸収を助けるビタミンCや、ビタミンB6・B12もバランスよく配合されています。コーティングのおかげで鉄特有のにおいも気になりにくく、粒が小さくて飲みやすいのがポイントです。

2. DHC ヘム鉄

胃腸への負担をできるだけ抑えたい方や、食事の影響を気にせず飲みたい方には、吸収の良い「ヘム鉄」を100%使ったこちらがおすすめです。1日2粒で鉄10mgを補うことができ、何よりコストパフォーマンスが抜群。鉄分補給はコツコツ続けることが大切なので、お財布に優しく継続しやすいのが嬉しいですね。

3. エレビット(elevit)

多くのクリニックでも紹介されている、知名度の高い葉酸・マルチビタミンサプリメントです。妊活中から妊娠期に必要な鉄分はもちろん、葉酸800μgをはじめとする18種類のビタミン・ミネラルをこれひとつでまとめて補給できます。「たくさんの種類のサプリを飲むのが苦手」「体づくりの栄養ベースをしっかり整えたい」という方におすすめです。

⚠️ サプリメントを飲む時の注意点

サプリメントは手軽でとても便利ですが、たくさん飲めば飲むほど良いというわけではありません。
複数のサプリを組み合わせて飲んだり、パッケージに書かれている1日の目安量を大幅に超えて飲むことは絶対にやめましょう。

鉄分の過剰摂取は、胃痛や便秘の原因になるだけでなく、体に負担をかけてしまうリスクがあります。

また、すでに病院から「鉄剤(お薬)」を処方されている場合は、そちらを飲むことが最優先です。
市販のサプリメントを一緒に飲みたい時は、必ず事前に主治医の先生に確認してくださいね。

まとめ

  • フェリチンが低い=「絶対に妊娠しにくい」ではないので、不安になりすぎなくて大丈夫!
  • ヘモグロビンが正常でも、フェリチンが低い「隠れ鉄不足」の女性はとても多い
  • 妊活中は鉄不足にならないよう、毎日の生活の中で整えておくことが大切
  • 食事では吸収の良い「ヘム鉄(赤身肉や魚など)」を意識し、忙しい日はコンビニ惣菜も頼る
  • サプリメントを併用する場合は目安量をしっかり守り、まずは3ヶ月〜半年を目安にコツコツ続けよう

赤ちゃんを迎えるための体づくりは、毎日の小さな積み重ねから始まります。フェリチンの数値に一喜一憂しすぎる必要はありません。

「まずは自分の今の状態を知ってみたいな」と思ったら、次の健診や婦人科を受診したタイミングで、先生に「フェリチンの値も一緒に調べてみたいです」と気軽に相談してみることから始めてみてくださいね。

参考文献

この記事を執筆するにあたり、以下の公的機関および学会の信頼できる一次情報を確認しています。

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